特別区になったら、自立取り組みは厳しくなる!

大阪市がなくなって、特別区になり、財源が足りないとなると、大阪市が力を入れてきた障害者の介護制度は、引き下がる恐れがあります。

重度障害者の中には1日24時間に近い介護が必要な人も多く、国の考える支給決定時間数を超えた部分は市が負担しています。重度障害者の重度訪問介護の国庫負担基準を超えている場合は、市町村の人口に応じて助成があるのですが、もともとそれでも足りないのですから、大阪市の持ち出し分があったわけです。

特別区の間に格差ができた場合、これまでは大阪市内どこに住んでも同じ制度が使えたのが、特別区によって変わるということになります。

例えば、東住吉区は企業が少ないため税収が少なく、福祉に手厚い区であるため、財源は間違いなく足りなくなると思われます。そうなると、これまで取り組んできた重度障害者の自立取り組みは、昔に逆戻り、制度が足らない時間はボランティアに頼る自立生活の復活になってしまいます。

また、一番打撃を受けるのは、移動支援でしょう。なぜなら移動支援は地域生活支援事業で行われており、国がしっかり責任を持つ仕組みではなく、市の財政力に大きく左右される事業だからです。とりわけ大阪市は、障害者の社会参加は進んでいて、全国的に見ても非常に多くの知的障害児者や精神障害者が移動支援を利用して外出しています。財源がないのを理由に減らす可能性が十分考えられます。

重度訪問介護や移動支援への打撃の程度もどこの特別区に住んでいるのかで変わるなら、こんな悲しいことはありません。引っ越す余裕のある人は、みんな余裕のある北区に引っ越しましょうということになります。

また地下鉄の無料乗車証は、介護者付きでの乗車、単独での乗車など、手帳の種別や等級によって変わりますが、多くの障害者が利用して外出がしやすくなっています。民営化になるときも不安でしたが、大阪市がなくなったら、OsakaMetroは、単なる私鉄と同じになる恐れがあります(今でもすでに私鉄ですが現在は大阪市の100%持株会社)。何十年もかけて100%バリアフリーになった地下鉄やバスが、利用しにくくなるのは、とても困ります。

車いすのままで生活できる車いす用公営住宅は、公営住宅の多い特別区にあることが多いので、そういう区は貧乏なので、住宅は良いけれど、障害者福祉制度が最悪ということにもなりかねません。

都構想と障害者の生活を考える会

私たちは、大阪市が進めている大阪都構想に反対しています。 大阪市がなくならないように声をあげていきたいと思います!